WindowsでOpenFOAMのチュートリアルを動かす1(授業用)

2次元翼周りの定常流れの解析

(2022年7月版)

OpenFOAMのインストールについてはこちら


2次元翼周りの定常流れの解析をするチュートリアルを動かします。通常のOpenFOAMの使い方と同じですが、Windowsクロスコンパイラ版だとparaFoamが使えないため、可視化の手順だけ異なります。チュートリアルについては以下のサイトが参考になります。https://www.xsim.info/articles/OpenFOAM/Tutorials.html

可視化にはParaViewを使います。https://www.paraview.org/からダウンロードできます。

今回は非圧縮性流れの定常解析をするsimpleFoamを用います。

以下、オレンジ背景の文字はOpenFOAM上で入力するコマンドです。


1. OpenFOAMを起動する


2. チュートリアルのデータが保存されているディレクトリに移動

cd OpenFOAM/OpenFOAM-v2012/tutorials/  [Enter]

ls  [Enter]      ファイル/ディレクトリ一覧を表示


チュートリアルのリストが表示される。各ディレクトリの中に解析手法の名前(**Foam)のディレクトリがあり、その中に様々な計算のチュートリアルが保存されている。ここでは、incompressible(非圧縮)内にあるsimpleFoam(非圧縮粘性流れの定常ソルバー)を使った2次元翼周りの流れのチュートリアルについて説明する。

3. チュートリアル用データを計算用ディレクトリRUNにコピー

cp -r incompressible/simpleFoam/airFoil2D/ ~/RUN/   [Enter]
    cp “A” “B” : AをBにコピー 
    -r :ディレクトリをコピーするためのオプション
    ~/RUN :起動時のディレクトリ”~/”の“RUN”

4. 計算用ディレクトリに移動して中身を確認

cd ~/RUN    [Enter]

cd  airFoil2D   [Enter]  チュートリアル用ディレクトリに移動

ls  [Enter]   中身の確認


5. 計算の実行(***Foam)

simpleFoam [Enter]      (コマンドはチュートリアル毎に異なる)

計算が実行される

ls [Enter]

計算結果の確認


6. 計算結果の可視化

Windows上で可視化ファイルの作成、ParaViewで可視化を行う。

C:\OpenFOAMにairFoil2Dというフォルダが作成されている(OpenFOAMで計算に使ったディレクトリ)


・C:\OpenFOAM\airFoil2D内で、右クリック→新規作成→テキスト文書

airFoil2D.foamという名前の空のテキストファイルを作成
(チュートリアルの名前incompressible/simpleFoam/airFoil2D/)

・ParaViewを起動

airFoil2D.foamのファイルをドラッグアンドドロップでParaViewに読み込ませる
(あるいは,ParaViewのFile→OpenからairFoil2D.foamを選択する)


・Apply(緑色)をクリック(上図)

・計算結果が可視化された下図のような状態になる

が3D
・マウスのホイール/右クリックしながらマウスを上下:拡大縮小
・ホイールを押しながらマウスを動かす:左右・上下に移動
が2Dの場合
・マウスのホイール/右クリックしながらマウスを上下:拡大縮小
・左クリックしながらマウスを動かす:左右・上下に移動

・翼が画面の中心になるように可視化範囲を調整する
・時間を最終ステップに設定
・「pressure」を変更することで別の物理量の可視化が可能
・画像を保存するときはFile→Save Screenshot


7. OpenFOAMのFilter機能により解析を行う
        Pipeline Browserにフィルターを繋げて利用


(Filter例1)Plot Over Line
・Filter→Alphabetical→ Plot Over Line 
   Points 1と2を結ぶ線上(白線)のデータを取り出す
・Y axisをクリック→Applyをクリック(下図)


下のように線上のデータがプロットされたグラフが表示される

グラフソフトで作図するためプロットの数値データを保存する
①パイプライン状でPlotOverLineを選択
② Save Data
  ↓
  Files of typeで Comma or Tab Delimited Filesを選択
  ↓
  File name入力→OK

保存したデータはExcelなどで閲覧・編集が可能(グラフ作成・データ処理)